🩺 糖尿病の潜在患者 — 未治療ギャップの全国動向【特定健診 2019→2023年度】
出典: 厚生労働省 NDBオープンデータ第7〜11回 特定健診(2023年度実施分・二次医療圏別/公費レセプトを含まない)
「未治療ギャップ」とは
健診で検査を受けた人(40〜74歳)を100%とすると… ① HbA1c 6.5%以上に該当 7.2% ② 血糖を下げる薬・インスリン注射を服薬中 6.1% ③ ①−② = +1.1pt この差の分だけ「基準を超えているのに治療していない人」がいる(最低ライン)
「未治療ギャップ」とは — 指標の定義と計算方法 未治療ギャップとは :特定健診で受診勧奨判定値に該当した人の割合から、すでに薬物治療を受けている人の割合を差し引いた、本サイト独自の参考指標 です(医学的な標準用語ではありません)。受診勧奨判定値への該当は、診断や薬物治療の必要性を直接示すものではありません。服薬中でも値が高い人は両方に含まれるため、この差は「受診勧奨判定値に該当し、服薬していない人」の割合の下限の目安 を示します。 マイナスの場合は、服薬中で検査値が判定値未満の人が比較的多い可能性を示します。「pt(ポイント)」とは :割合(%)どうしの差を表す「パーセントポイント」の略です。例えば、脂質異常に関する該当率が28.0%、服薬率が16.0%の場合、差は12.0ptです。「%」では相対的な増減率と混同されるため、「pt」と表記しています。未治療相当人数の計算 :該当者の推計人数から、服薬者の推計人数を差し引いて算出します。検査と質問票では回答者数がわずかに異なるため、服薬者数は検査の回答者数に合わせて補正しています。例:脂質異常=該当約862万人−服薬約496万人相当≒約367万人。個人単位で未治療を確認した実人数ではなく、特定健診を受診した40〜74歳を対象とする参考推計です。 健診未受診者は含まれません。
受診勧奨判定値の該当率(全国・2023年度)
7.2%
HbA1c 6.5%以上
未治療ギャップ(下限)
+1.1pt
=全国で少なくとも約27.1万人
5年の動き(2019→2023)
-0.3pt
縮小=受療が進んだ
この数値の読み方(保健事業・地域医療の視点) ① 受診勧奨の余地の大きさ。 全国で少なくとも
約27.1万人 が「HbA1c 6.5%以上に該当しながら服薬していない」状態です。特定保健指導・受診勧奨・かかりつけ医への紹介が届いていない層の規模の目安になります。
② 地域差は保健事業の重点化に。 ギャップが大きい都道府県・二次医療圏は、特定健診後のフォロー体制(受診勧奨の方法・医療機関との連携・薬局や健保との協働)を見直す優先度が高い地域といえます。
③ 5年の動きは施策の手ごたえ。 ギャップが縮小している地域は、健診後に医療へつながる流れが改善している地域です。横ばい・拡大が続く地域では、健診受診率そのものや勧奨の届き方を確認する必要があります。
④ 医薬品の供給状況とあわせて。 治療につながる人が増えれば、その疾患の治療薬の需要も増えます。地域の需要動向と供給状況は
糖尿病用剤の供給状況 で確認できます。
※ 本ページは特定健診の公表統計を集計したものです。個々の治療方針は医師の判断によります。
この疾患のプロファイル — 誰が該当し、誰が治療しているか
グラフの見方 :横軸は年齢階級(40〜74歳・5歳刻み)、縦軸は健診受診者に占める割合。淡い色の棒=該当率 (検査で受診勧奨判定値以上だった人)、その内側の濃い棒=服薬率 (血糖を下げる薬・インスリン注射を使用中と回答した人)、青=男性 ・赤=女性 。淡い棒が濃い棒より高く突き出ている分が、治療につながっていない層の厚み です(2023年度)。
糖尿病|該当率と服薬率(男女×年齢) 0% 5% 10% 15% 20% 該当 3.2% 服薬 2.2% 3.2 該当 1.0% 服薬 0.9% 1 40-44 該当 5.2% 服薬 3.9% 5.2 該当 1.6% 服薬 1.4% 1.6 45-49 該当 8.0% 服薬 6.3% 8 該当 2.9% 服薬 2.3% 2.9 50-54 該当 10.8% 服薬 9.2% 10.8 該当 4.3% 服薬 3.5% 4.3 55-59 該当 13.2% 服薬 11.9% 13.2 該当 5.6% 服薬 4.8% 5.6 60-64 該当 14.9% 服薬 14.0% 14.9 該当 7.2% 服薬 6.3% 7.2 65-69 該当 16.7% 服薬 15.8% 16.7 該当 9.2% 服薬 8.1% 9.2 70-74 ■ 男 該当 ■ 男 服薬 ■ 女 該当 ■ 女 服薬 20歳から体重10kg以上増加した人の割合(男女×年齢) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 該当 47.6% 47.6 該当 27.0% 27 40-44 該当 50.3% 50.3 該当 30.6% 30.6 45-49 該当 51.1% 51.1 該当 32.4% 32.4 50-54 該当 50.3% 50.3 該当 31.3% 31.3 55-59 該当 48.1% 48.1 該当 29.2% 29.2 60-64 該当 46.4% 46.4 該当 27.3% 27.3 65-69 該当 42.5% 42.5 該当 26.2% 26.2 70-74 ■ 男 ■ 女 質問9に「はい」と回答した割合。肥満・メタボの代理指標で、3疾患に共通する上流のリスクです。
全国の経年推移(2019→2023年度) 0% 2% 4% 6% 8% 7 7.2 7.1 7.1 7.2 5.6 5.7 5.9 6 6.1 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 — 受診勧奨判定値の該当率 — 服薬率 年度により健診受診者の集団は異なります(2020年度は新型コロナの影響で受診が減少)。該当率が下がり服薬率が上がるほど、未治療ギャップは縮小します。
この疾患の背景にあるリスク(全国・健診受診者) 項目 該当率 20歳から体重10kg以上増加 肥満・メタボの代理指標(質問票Q9)
39.8% 習慣的な喫煙 循環器・呼吸器リスク(質問票Q8)
21.5% 慢性腎臓病・腎不全の既往 腎合併症・薬剤調整の対象層(質問票Q6)
0.6%
特定健診の標準的な質問票から、この疾患に関係の深い項目を抜粋。生活習慣・既往歴は、疾患の広がりや治療対象層の厚みを読む手がかりになります。
都道府県別の肥満指標(全国 39.8%)
質問9「20歳の時の体重から10kg以上増加している」に「はい」と回答した健診受診者の割合(2023年度)。地図と表は2023年度時点の水準の比較です。
北海道 41.6% 北海道 42 青森県 41.0% 青森 41 岩手県 39.5% 岩手 40 宮城県 40.8% 宮城 41 秋田県 38.2% 秋田 38 山形県 37.2% 山形 37 福島県 41.0% 福島 41 茨城県 41.7% 茨城 42 栃木県 41.2% 栃木 41 群馬県 40.4% 群馬 40 埼玉県 40.8% 埼玉 41 千葉県 41.2% 千葉 41 東京都 38.8% 東京都 39 神奈川県 40.2% 神奈川 40 新潟県 36.6% 新潟 37 富山県 36.4% 富山 36 石川県 37.2% 石川 37 福井県 37.5% 福井 38 山梨県 37.7% 山梨 38 長野県 36.1% 長野 36 岐阜県 38.1% 岐阜 38 静岡県 38.4% 静岡 38 愛知県 39.9% 愛知 40 三重県 39.2% 三重 39 滋賀県 39.4% 滋賀 39 京都府 37.7% 京都 38 大阪府 40.8% 大阪 41 兵庫県 38.7% 兵庫 39 奈良県 38.6% 奈良 39 和歌山県 39.0% 和歌山 39 鳥取県 37.0% 鳥取 37 島根県 34.9% 島根 35 岡山県 40.6% 岡山 41 広島県 39.0% 広島 39 山口県 37.6% 山口 38 徳島県 39.4% 徳島 39 香川県 39.7% 香川 40 愛媛県 41.1% 愛媛 41 高知県 41.1% 高知 41 福岡県 40.7% 福岡 41 佐賀県 40.3% 佐賀 40 長崎県 40.1% 長崎 40 熊本県 41.6% 熊本 42 大分県 41.0% 大分 41 宮崎県 41.5% 宮崎 42 鹿児島県 41.4% 鹿児島 41 沖縄県 44.2% 沖縄 44 ← 小 体重10kg以上増加の割合(%) 大 →
肥満指標が高い都道府県 TOP10(2023年度の水準) # 都道府県 該当率 1 沖縄県
44.2%
2 茨城県
41.7%
3 北海道
41.6%
4 熊本県
41.6%
5 宮崎県
41.5%
6 鹿児島県
41.4%
7 栃木県
41.2%
8 千葉県
41.2%
9 愛媛県
41.1%
10 高知県
41.1%
都道府県別のギャップ(2023年度)
この地図と表の見方 :各都道府県の健診受診者について、2023年度の該当率から服薬率を引いた未治療ギャップ(pt)を示しています。地図の色とランキングの順位は2023年度時点の水準の比較 で、「伸びた順」ではありません。5年間(2019→2023年度)でどう変わったかは、各行右側の「5年の動き」欄(縮小▼=受療が進んだ/拡大▲=未治療が積み上がり)をご覧ください。
ギャップが大きい都道府県 TOP10(2023年度の水準) # 地域 未治療ギャップ(該当率−服薬率) 5年の動き(2019→2023) 1 茨城県
2.3pt =約1.4万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 2 富山県
2.3pt =約6千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 3 石川県
2.0pt =約5千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 4 静岡県
2.0pt =約1.3万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 5 宮城県
1.8pt =約8千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 6 栃木県
1.7pt =約6千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 7 群馬県
1.7pt =約7千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.5pt 受療が進んだ
8 埼玉県
1.7pt =約2.4万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 9 山形県
1.6pt =約3千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 10 和歌山県
1.5pt =約2千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.4pt 受療が進んだ
全47都道府県 # 地域 未治療ギャップ(該当率−服薬率) 5年の動き(2019→2023) 1 茨城県
2.3pt =約1.4万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 2 富山県
2.3pt =約6千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 3 石川県
2.0pt =約5千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 4 静岡県
2.0pt =約1.3万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 5 宮城県
1.8pt =約8千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 6 栃木県
1.7pt =約6千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 7 群馬県
1.7pt =約7千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.5pt 受療が進んだ
8 埼玉県
1.7pt =約2.4万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 9 山形県
1.6pt =約3千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 10 和歌山県
1.5pt =約2千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.4pt 受療が進んだ
11 島根県
1.5pt =約2千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.4pt 受療が進んだ
12 徳島県
1.5pt =約2千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 13 千葉県
1.4pt =約1.8万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 14 佐賀県
1.4pt =約2千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.8pt 受療が進んだ
15 京都府
1.3pt =約6千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.6pt 受療が進んだ
16 愛知県
1.2pt =約1.8万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 17 三重県
1.2pt =約4千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 18 大阪府
1.2pt =約1.9万人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.5pt 受療が進んだ
19 山口県
1.2pt =約2千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 20 広島県
1.2pt =約6千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 21 福岡県
1.2pt =約1.1万人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.8pt 受療が進んだ
22 熊本県
1.2pt =約3千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.8pt 受療が進んだ
23 兵庫県
1.1pt =約1.1万人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.6pt 受療が進んだ
24 新潟県
1.1pt =約5千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.6pt 受療が進んだ
25 東京都
1.0pt =約3万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 26 神奈川県
1.0pt =約1.9万人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 27 山梨県
1.0pt =約2千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.6pt 受療が進んだ
28 奈良県
1.0pt =約2千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 29 岡山県
1.0pt =約3千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 30 高知県
1.0pt =約996人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.4pt 受療が進んだ
31 滋賀県
0.9pt =約3千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 32 沖縄県
0.9pt =約7千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 33 鹿児島県
0.8pt =約2千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 34 福島県
0.8pt =約2千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 35 福井県
0.8pt =約1千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 36 岐阜県
0.8pt =約4千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 37 愛媛県
0.7pt =約2千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.8pt 受療が進んだ
38 青森県
0.6pt =約947人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.6pt 受療が進んだ
39 北海道
0.5pt =約5千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 40 長崎県
0.5pt =約1千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.5pt 受療が進んだ
41 宮崎県
0.5pt =約845人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.9pt 受療が進んだ
42 鳥取県
0.4pt =約290人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 43 大分県
0.4pt =約705人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.5pt 受療が進んだ
44 長野県
0.3pt =約1千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.7pt 受療が進んだ
45 秋田県
0.2pt =約223人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 46 香川県
-0.1pt =約-209人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 47 岩手県
-0.3pt =約-521人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい
全47都道府県を表示
二次医療圏別のギャップ TOP10(2023年度・全336圏域中)
# 地域 未治療ギャップ(該当率−服薬率) 5年の動き(2019→2023) 1 古河・坂東(茨城県)
3.4pt =約2千人が未治療相当(下限)
拡大 ▲0.4pt 未治療が積み上がり
2 大崎・栗原(宮城県)
3.1pt =約1千人が未治療相当(下限)
拡大 ▲0.5pt 未治療が積み上がり
3 高岡(富山県)
2.8pt =約2千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼0.9pt 受療が進んだ
4 中東遠(静岡県)
2.7pt =約3千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 5 筑西・下妻(茨城県)
2.7pt =約1千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 6 隠岐(島根県)
2.7pt =約109人が未治療相当(下限)
拡大 ▲1.9pt 未治療が積み上がり
7 西部(静岡県)
2.7pt =約5千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 8 日立(茨城県)
2.7pt =約1千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 9 取手・竜ヶ崎(茨城県)
2.5pt =約2千人が未治療相当(下限)
ほぼ横ばい 10 八戸地域(青森県)
2.4pt =約1千人が未治療相当(下限)
縮小 ▼1.2pt 受療が進んだ
圏域名をクリックすると、その二次医療圏の医薬品供給・医療量・治療ギャップ(5年推移)のページへ移動します。全圏域の比較は
二次医療圏別の医療量 から。
市区町村の治療実態・将来予測・供給
出典・注記 ・出典: 厚生労働省「NDBオープンデータ」第7〜11回 特定健診(検査・標準的な質問票/二次医療圏別性年齢階級別分布/公費レセプトを含まない)。2019〜2023年度実施分。 ・該当率=HbA1c 6.5%以上に該当した人の割合。服薬率=質問票で「血糖を下げる薬・インスリン注射」を使用中と回答した人の割合。 ・未治療ギャップ=該当率−服薬率。服薬中でも値が高い人は双方に含まれるため未治療者割合の下限 です。人数は該当者数から服薬者数(検査母数に正規化)を引いた下限値。 ・対象は特定健診受診者(40〜74歳)のみで、健診未受診者は含みません。受診率には地域差があります。 ・10未満のセルは元データで秘匿されており0として集計しています。 ・本指標は集団の統計であり、個々の患者の治療の適否や管理状況を評価するものではありません。血圧・血糖・脂質の管理目標は年齢や合併症等により個人ごとに異なります。 ・本ページの集計はSCUEL(ミーカンパニー株式会社)独自のものであり、厚生労働省の見解を示すものではありません。