SCUEL医薬品安定供給ダッシュボード
| 出典 | 情報の位置づけ | 主に確認できる内容 | 特徴・留意点 |
|---|---|---|---|
| 厚生労働省「医薬品安定供給・流通確認システム」(供給状況一覧) | 製造販売業者からの法定届出等に基づく行政公表 | 通常出荷、限定出荷、供給停止、出荷量の状況、理由、解消見込み等 | 全国共通の形式で品目を横断比較できる。実際に出荷の制限・停止を行った場合の「供給状況報告」が公表の中心。 |
| 製造販売業者・販売会社の公式情報(メーカー公表) | 当該製品を取り扱う企業による一次情報 | 限定出荷・供給停止の案内と開始予定日、包装別の状況、販売中止、経過措置、供給再開、代替品、問い合わせ先等 | 厚労省システムより早く公表される場合がある。包装単位・ロット単位など、より詳細な情報が示されることも多い。 |
| 厚生労働省「使用上の注意」の改訂(通知) | 医薬品安全対策に関する行政情報 | 警告、禁忌、重要な基本的注意、副作用、相互作用等の改訂 | 供給状況を示す情報ではない。ただし、処方・使用方法の変更を通じて需要や代替薬の選択に影響する場合がある。 |
| PMDA 回収情報 | 製造販売業者等が作成した回収情報をPMDAが公表 | 回収クラス(I・II・III)、対象製品・ロット、回収理由、回収開始・終了等 | 回収の発生と供給不足は同義ではない。回収が供給へ影響する場合は、供給状況一覧や企業の供給案内を併せて確認する。 |
| 出典 | 出典元の更新頻度 | SCUELの確認頻度 |
|---|---|---|
| 厚生労働省 供給状況一覧 | 毎日更新(厚生労働省が公表ページに明記) | 1日3回(9時・13時・18時ごろ)、4出典すべてを確認し、同じ時点の情報を1品目1行にまとめています。 |
| メーカー公式情報 | 各社が任意のタイミングで掲載(頻度は企業により異なる) | |
| 厚生労働省 使用上の注意の改訂 | 発出の都度 | |
| PMDA 回収情報 | PMDA掲載の都度 |
2026年8月31日のSCUEL確認時点(メーカー公表の確認先50社時点)で、メーカー公表の掲載対象996品目と、厚生労働省 供給状況一覧の問題品目(限定出荷・供給停止等)1,869品目を品目名で突き合わせた結果です。
重なりが小さいのは情報の不整合ではなく、2つのリストの役割が違うためです。メーカー公表は「これから無くなる」の予告が中心、供給状況一覧は「いま出荷が滞っている」の現況が中心です。時期が前後したり片側にしか載らない制度上の理由は、次節から説明します。
SCUELは厚生労働省 供給状況一覧を2026年4月1日から8月30日まで119断面保存しているため、メーカーが公表した日と、一覧が動いた日を突き合わせられます。掲載日が判明した159行のうち、販売名で一覧と突合できた148品目(32イベント=公表元×掲載日)が対象です。
メーカーが販売中止を公表しても、その品目が一覧で「限定出荷」「供給停止」に変わるとは限りません。実測では、公表より後に状態が動いたのは5件(3.4%)だけで、99件(66.9%)は観測期間を通じて①通常出荷のままでした。販売中止は「これから無くなる」の予告であり、「いま出荷が絞られているか」とは別の事象だからです。厚労省の一覧を見ているだけでは、販売中止の予告はほとんど拾えません。
厚労省一覧の⑰出荷対応区分が「薬価削除予定」に変わるまでの日数を測ると、148行全体では18.2%しか反映されていません。ただしこれは掲載から日が浅い行を含めた値です。掲載から120日以上経った37行に絞ると51.4%が反映されており、反映までの中央値は132日(約4.4か月)でした。経過日数を揃えるほど反映率が上がるので、未反映の多くは「まだ日が浅い」ためと考えられます。観測期間そのものが5か月しかないため、132日は下限の値です。
現在の制度では、特定医薬品の製造販売業者に対し、供給上の問題について大きく2段階の報告・届出が定められています(改正薬機法・令和7年11月20日施行)。
供給上の懸念が認識されてから、公開システムに「限定出荷」「供給停止」として現れるまでには、制度上も段階があります。なお、この2段階の報告は法定化(令和7年11月20日)に先立ち、令和6年4月から通知に基づく運用として開始されていました。
製造販売業者が、限定出荷や供給停止の開始予定日より前に医療機関・薬局・卸等へ案内する場合があります。事前公表の時点ではまだ出荷制限が始まっていないため、供給状況一覧とは掲載時期が一致しません。企業の公式情報が先に確認され、実際の開始後に一覧へ反映される順序は、制度上起こり得ます。
供給不安報告(第18条の3)は原則として公表されません。一方、製造販売業者は供給不足が判明した場合、原因・開始時期・解消見込み・代替薬等について関係者に情報提供を行います。その手段として企業ウェブサイトが使われれば、企業サイトには情報があるが、公開システムにはまだ掲載されていない期間が生じます。
供給状況一覧は主として品名・規格・YJコード等を単位に整理されます。企業の案内では、PTP包装とバラ包装、100錠包装と1,000錠包装、特定ロット、出荷再開時期の異なる包装など、より細かい単位で説明されることがあり、一覧と一対一に対応しない場合があります。
企業サイトへの掲載、届出、公開システムへの反映はそれぞれ別の処理のため、開始前後には短時間の掲載差が生じ得ます。ただし、実際に出荷制限・停止を開始しているにもかかわらず長期間一覧と整合しない場合は、品目・規格・YJコード・製造販売業者・対象包装・開始日を確認のうえ、製造販売業者へ確認することが適切です。
薬機法第18条の4で求められているのは厚生労働大臣への届出です。一覧に掲載されている品目について、同一内容を自社の一般公開ウェブサイトにも掲載しなければならない制度ではありません。企業が必要な情報提供を行っていても、公開サイト上に独立した供給案内が存在しない場合があります。
医療機関・薬局への文書・メール・FAX、卸売販売業者を介した案内、MRからの連絡、医療関係者向け会員ページ、取引先向けポータルなど、公開ウェブサイト以外の提供経路は多くあります。公開サイトに掲載がないことと、情報提供が行われていないことは同義ではありません。
届出主体は原則として製造販売業者ですが、医療関係者向けの案内は販売会社側のサイトに掲載されることがあります。企業情報を確認する際は、製造販売業者名だけでなく販売会社、承継前後の会社名も確認する必要があります。
限定出荷の解消後、企業サイトの案内が過去のお知らせへ移動したり、リンク構造が変わることがあります。供給状況一覧側では、限定出荷・供給停止から通常出荷へ変更された履歴を確認できる場合があります。
掲載差を見つけたときは、まず「情報が矛盾している」と判断する前に、次の7点を照合してください。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| メーカー公表 | 製造販売業者または販売会社の公式情報で確認できる内容です。開始予定、包装別の状況、販売中止、代替品等、供給状況一覧より詳細な情報を含む場合があります。 |
| メーカー先行 | 製造販売業者等の公式情報で供給に関する案内を確認していますが、SCUEL確認時点では供給状況一覧に同一内容を確認できていない品目です。事前案内、包装単位の差、更新タイミングの差等を含みます。 |
| 一覧未掲載 | SCUEL確認時点で、供給状況一覧に対応する情報を確認できていない品目です。「一覧未掲載」は「通常出荷」を意味しません。将来の販売中止、開始前の事前案内、包装単位の情報等が含まれます。 |
| メーカー公表なし | その品目の製造販売業者が、現在のSCUELの確認先に含まれていない、または確認先の公開ページに対応する案内がない、という意味です。企業が情報提供を行っていない、あるいは供給に問題がない、という意味ではありません。 |
SCUELが公表ページを確認している製造販売業者・販売会社の一覧です(2026年9月3日時点・86社)。社名をクリックすると各社の公表ページが開きます。確認先は順次追加しており、追加の都度この一覧を更新します。2026年9月3日には、先発品・長期収載品を中心に後発品も一部持つ14社(久光製薬・第一三共・エーザイ・興和など)と卸の中北薬品を加えました。先発品や長期収載品の販売中止は、後発品への切り替え需要に直結するため、後発品メーカーに限らず確認先にしています。同日午後には、さらに後発品メーカーと先発品メーカー計21社(大鵬薬品工業・ゼリア新薬工業・富士フイルム富山化学・光製薬・日興製薬など)を加えました。
①問題が起きた品目を追えているか、②世の中の後発品の銘柄をどれだけ押さえているか — の2つで見ています。②は問題の有無によらない、市場全体に対する備えの指標です。
確認先は後発品メーカー172社中の50社(29%)(2026年8月31日時点)ですが、銘柄数の多い主要メーカーから確認先に追加しているため、銘柄ベースでは9割超を押さえています。※上の2つの指標と重なりの実測は2026年8月31日・確認先50社時点の値です。9月3日に加えた36社(先発品中心の社と後発品の小規模社)の分は、後発品のカバー率を再計測のうえ次回更新します。
| 確認したいこと | 主に確認する情報 |
|---|---|
| 全国共通の供給ステータス | 厚生労働省「医薬品安定供給・流通確認システム」 |
| 開始予定日、包装別状況、販売中止、代替品等の詳細 | 製造販売業者・販売会社の公式情報 |
| 自院・自薬局へ実際に納入できる数量・時期 | 取引卸の在庫・割当・納期情報 |
| 自施設で治療を継続できる期間 | 院内・薬局内在庫、使用量、患者・治療予定 |
| 安全性上の使用条件の変更 | 厚生労働省「使用上の注意」の改訂、PMDA安全性情報 |
| 回収対象製品・ロット | PMDA回収情報、製造販売業者の回収案内 |
・一般に「製薬メーカー」と呼ばれる企業について、制度上の主体を明確にする箇所では「製造販売業者」と表記しています。
・法令では「出荷の停止又は制限」と規定され、公開情報上では一般に「供給停止」「限定出荷」として表示されます。
・「供給不安報告」は薬機法第18条の3に基づく報告で、原則として非公表です。「供給状況報告」は薬機法第18条の4に基づく出荷停止等の届出に係る情報で、厚生労働省が公表します(いずれも令和7年11月20日施行。法定化前の令和6年4月から通知に基づく運用として先行実施)。
・厚生労働省「医薬品安定供給・流通確認システム」
・厚生労働省「医療用医薬品供給状況報告」
・厚生労働省「医薬品等の供給不安への対応について」(供給状況の毎日更新について記載)
・厚生労働省「薬機法等一部改正法の施行通知(特定医薬品の安定供給関係)」(PDF)
・厚生労働省「医療用医薬品の供給不足に係る適切な情報提供について」(PDF)
・厚生労働省「医薬品等安全性関連情報」
・PMDA「医薬品 回収情報」