2024年、新たに予約システムを導入したクリニックには、どのような共通点があるのでしょうか?
SCUELの医療機関データセットをもとに、2024年に新たに予約システムを導入した4,687件の医療機関が、予約システム未導入施設と比較して顕著な差がみられた特徴をランキング形式で分析しました。

1位:開業から10年以内の若いクリニックが多い(+44%)
導入クリニックの中で最も多かったのが「開業年数10年以内」の施設です。未導入クリニックとの差は実に44%。比較的新しいクリニックほど、デジタル施策やUX向上に積極的であることがうかがえます。
2位:自院のウェブサイトを保有している(+43%)
ウェブサイトの有無は、予約システム導入と密接な関係があります。
「自院ウェブサイトあり」という条件を満たす割合は、導入クリニックで43%高いことが明らかになりました。オンライン予約への導線があることで、予約システムの有効活用が進むと考えられます。
3位:医療DX推進体制整備加算を取得(+31%)
「医療DX推進体制整備加算」の届け出があるクリニックは、予約システム導入率が高い傾向にあります。加算を取得している施設は、未導入施設よりも31%多く存在しており、国のDX推進に呼応するように予約導入も進んでいると解釈できます。
4位:情報通信機器を用いた診療に対応(+27%)
オンライン診療の基準に対応しているかどうかも、予約導入に影響を与える要素の一つです。
「情報通信機器を用いた診療に係る基準」を満たす施設は27%多い結果となりました
5位:電子決済サービスを導入(+15%)
キャッシュレス対応をしているクリニックは、患者側の利便性を意識した運営を進めているといえます。予約システム導入クリニックは、電子決済サービスの対応率が15%高いという結果でした。
6位:駅から近い立地(+14%)
最寄駅から0.4km未満の立地にあるクリニックは14%多い傾向にありました。
立地の良さもまた、予約システムの導入と関係している可能性があります。
7位:外来感染対策向上加算を取得(+12%)
感染対策を強化している施設ほど、事前予約による混雑緩和などを図る傾向があるのかもしれません。
加算取得施設は未導入施設より12%多いという結果となっています。
8位:院長が40歳未満(+11%)
最後に見逃せないのが、院長年齢が40歳未満の施設で導入率が11%高いというデータです。
若手医師の間で予約システムへの理解や期待値が高まっていることが伺えます。
まとめ:予約システム導入は“新しい・デジタル志向”の象徴
順位 | データ内容 | 未導入施設との差 |
---|---|---|
1位 | 開業年数10年以内 | 44% |
2位 | 自院ウェブサイトあり | 43% |
3位 | 医療DX推進体制整備加算 | 31% |
4位 | 情報通信機器を用いた診療に係る基準 | 27% |
5位 | キャッシュレス電子決済サービスあり | 15% |
6位 | 最寄駅との距離_0.4km未満 | 14% |
7位 | 外来感染対策向上加算 | 12% |
8位 | 院長年齢:40歳未満 | 11% |
今回の分析から、予約システムを導入しているクリニックには以下のような共通点があることが明らかになりました:
これらの項目は、いずれも**「デジタル施策への感度」や「変化への柔軟性」**を示すシグナルといえます。
そして、これらの特徴はすべて SCUELデータベース上で保有・スコアリング可能な属性データ です。
SCUELを活用すれば、以下のようなターゲティングリストの作成が実現できます:
- 開業年数や院長年齢から若手医師クリニックの抽出
- Webサイト有無や加算取得状況によるDX意欲の高い施設の抽出
- オンライン資格確認・キャッシュレス対応状況に基づくITサービス導入可能性の高い施設リスト
このように、SCUELは単なる施設情報の集積ではなく、**「営業ターゲティングに使える実務的なスコア付きリスト」**を構築できるデータベースとして活用できます。
デジタルサービス導入の提案先選定や、業界別の導入傾向分析などに、ぜひSCUELのデータをご活用ください。