SCUELデータベースとWHITE CROSS社の協力によるアンケート集計結果に基づき、歯科医院の予約システム導入傾向について分析。主要3ブランド(A社/B社/C社)傾向をまとめました。(調査時点:2024年12月)有償版レポートでは、実際のメーカー名の開示と、上記を含む250項目以上のSCUEL歯科データベース項目と比較した結果が確認できます。

1.事業所・立地特性
ブランドAは関東地方(31.8%)での導入が目立ち、駅近0.4km未満(50.0%)とアクセス性の高い立地に強みがあります。ブランドBは関東(42.1%)を中心に分布しつつ、1km以上(31.6%)の立地でも比較的導入が多い点が特徴です。ブランドCは関東(50.0%)で集中しており、さらに1km以上(50.0%)の立地にも一定の導入が確認されます。都市型に強いA・Cに対し、Bは郊外需要にも対応していることがうかがえます。
| ブランドA | ブランドB | ブランドC | |
|---|---|---|---|
| 関東地方 | 31.8% | 42.1% | 50.0% |
| 関西地方 | 18.2% | 15.8% | 0.0% |
| 最寄駅との距離:0.4km未満 | 50.0% | 42.1% | 33.3% |
| 最寄駅との距離:1Km以上 | 22.7% | 31.6% | 50.0% |
2.医院運営規模
ブランドAは個人医院での導入割合が高く(68.2%)、小規模クリニックでの利用に強みを持ちます。ブランドBは医療法人1施設(31.6%)に多く、単独運営の法人との親和性が高い点が特徴です。一方、ブランドCは2施設以上の医療法人(33.3%)での導入が相対的に高く、複数拠点を展開する中規模以上の法人に選ばれる傾向が見られます。
| ブランドA | ブランドB | ブランドC | |
|---|---|---|---|
| 個人 | 68.2% | 47.4% | 41.7% |
| 医療法人(1施設) | 18.2% | 31.6% | 16.7% |
| 医療法人(2施設以上) | 13.6% | 21.1% | 33.3% |
3.開設年数
ブランドAは開設10年以内(36.4%)が最も多く、新規開業医院での採用が目立ちます。ブランドBは11~20年(36.8%)に強みを持ち、ある程度の運営実績を持つ医院で選ばれる傾向があります。ブランドCは特に11~20年(66.7%)に集中しており、安定期を迎えた医院での導入が際立ちます。また、開設31年以上の医院では3ブランドとも導入割合が比較的低く、市場の新陳代謝が見て取れます。
| ブランドA | ブランドB | ブランドC | |
|---|---|---|---|
| 開設年数:10年以内 | 36.4% | 31.6% | 16.7% |
| 開設年数:11-20年 | 27.3% | 36.8% | 66.7% |
| 開設年数:21-30年 | 13.6% | 10.5% | 8.3% |
| 開設年数:31年以上 | 22.7% | 21.1% | 8.3% |
4.歯科医師数(常勤・非常勤)
ブランドAは常勤1名・2名以上がいずれも50.0%で、院長一人で診療する個人医院から、親子や夫婦といった家族経営の医院まで幅広く導入されてる可能性が伺えます。ブランドBは常勤1名(63.2%)が中心で、院長主体の小規模体制が目立ちますが、非常勤2名以上(26.3%)を確保し患者数の波に対応する医院も見られます。ブランドCは常勤2名以上(50.0%)に加え非常勤1名(33.3%)も多く、一定規模の医院で常勤+非常勤を組み合わせ効率的に診療を回すスタイルが想定されます。
| ブランドA | ブランドB | ブランドC | |
|---|---|---|---|
| 常勤歯科医師:1人 | 50.0% | 63.2% | 50.0% |
| 常勤歯科医師:2人以上 | 50.0% | 36.8% | 50.0% |
| 非常勤医師:0人 | 68.2% | 52.6% | 58.3% |
| 非常勤医師:1人 | 22.7% | 21.1% | 33.3% |
| 非常勤医師:2人以上 | 9.1% | 26.3% | 8.3% |
5.歯科チェアユニット数・医院規模
ブランドA・Bはいずれもユニット4台以上の割合が過半数(A:59.1%、B:57.9%)で、中規模クラスの医院に強みがあります。ブランドBは3台以下(42.1%)でも導入が比較的多く、少数ユニットの小規模医院でも採用されやすい点が特徴です。一方、ブランドCは4台以上が圧倒的に多く(91.7%)、複数のチェアを備えた大規模医院や法人運営型クリニックでの導入が中心と考えられます。
| ブランドA | ブランドB | ブランドC | |
|---|---|---|---|
| ユニット数:3台以下 | 40.9% | 42.1% | 8.3% |
| ユニット数:4台以上 | 59.1% | 57.9% | 91.7% |
6.新たな制度への対応力
オンライン資格確認義務化に対し、ブランドAは2021年導入が18.2%を占め、新しい制度に積極的に挑戦する“イノベーターやアーリーアダプター(先進的に動く層)”が一定数見られます。ブランドBは2022年導入が42.1%と多く、大多数が動き出す前に着実に準備を進めた“アーリーマジョリティ(比較的慎重だが流れを早めに掴む層)”が中心です。一方ブランドCは2022年に58.3%と突出しており、制度の広がりに合わせて導入を進めた医院が多い点が特徴です。
| ブランドA | ブランドB | ブランドC | |
|---|---|---|---|
| オンライン資格確認 運用開始時期:2021年 | 18.2% | 10.5% | 8.3% |
| 運用開始時期:2022年 | 27.3% | 42.1% | 58.3% |
| 運用開始時期:2023年1~4月 | 22.7% | 15.8% | 16.7% |
| 運用開始時期:2023年5月以降 | 22.7% | 26.3% | 16.7% |
予約システムメーカー別傾向(まとめ)
ブランドA
ブランドAは個人医院での導入が多く(68.2%)、常勤医師1~2名規模や駅近(0.4km未満:50.0%)といったアクセス性の高い立地に強みを持ちます。比較的早期(2021~2022年)から制度対応を進めるなど、イノベーターやアーリーアダプター層の医院に選ばれやすい傾向があります。小~中規模クリニックを中心に幅広く導入されるブランドです。
ブランドB
ブランドBは西日本を含む幅広い地域で導入され、個人医院(60.7%)を中心としつつも、1km以上の立地(31.6%)やユニット4台以上(57.9%)といった中規模以上の医院にも強みがあります。導入時期は2022年が中心(42.1%)で、アーリーマジョリティに該当する慎重かつ着実に準備を進める医院が多い点が特徴です。都市部だけでなく郊外にも対応するバランス型です。
ブランドC
ブランドCは関東を中心に導入され、医療法人(2施設以上:33.3%)やユニット4台以上(91.7%)の大規模医院での採用が目立ちます。開設11~20年の安定期にある医院(66.7%)に多く、制度対応も2022年を中心に集中(58.3%)。普及段階で一気に広がるフォロワー型の特徴があり、中規模以上の法人・複数拠点医院に適した選ばれ方をしています。
本レポートは一部抜粋です
有償版では、実際のメーカー名の開示と、上記を含む250項目以上のSCUEL歯科データベース項目と比較した結果が確認できます。


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