外来コマ数データで“医師のポテンシャル”はどこまで見えるのか

医師の「外来コマ数」は、医師がどれだけ患者と接しているかを把握するための有用な情報です。専門性や役職といった属性情報だけでは捉えきれない、実臨床における患者接点の多寡を可視化することができます。

SCUELでは、昨年8月の初回リリース(春収集)に続き、10〜11月に収集した秋期データを1月にリリースしました。外来コマ数データに関するお問い合わせも多くいただいており、今回は、これまでに収集したデータをもとに、外来コマ数の変化および外来コマ数と処方との関係性について検証しました。

◆外来コマ数データの変化◆

春収集データと秋収集データを比較し、医師の掲載状況を確認したところ、約80%の医師において、外来勤務表の掲載有無に変化は見られませんでした。一方で、一部の医師では春秋の比較において所属施設からの退職や新規着任など、掲載施設の変化が確認されました。

次に、春秋を通じて同一施設に継続して掲載されている医師を対象として、外来コマ数の変化を分析しました。その結果、病床規模による大きな差は認められず、外来コマ数の変動は全体として小さく、約95%の医師が月あたり±4コマ以内に収まっていました。

このように、外来コマ数は比較的安定した指標である一方で、診療体制の変更や役割の変化などにより、一定数の医師では変動が生じていることが分かります。SCUELでは年2回の定期更新により、診療実態に基づいた判断材料としての価値向上を図っています。

◆外来コマ数と処方の関係性を検証◆

外来コマ数を医師ターゲティングに活用したいという声がある一方で、「本当に処方と関係があるのか?」というご質問も多くいただきます。そこで、外来コマ数が処方ポテンシャルをどの程度反映しているのかを確かめるため、外来コマ数データとJMDC社の調剤レセプトデータを組み合わせ、心不全領域で検証しました。

同一医療機関内で、外来コマ比率と処方比率の関係性を確認したところ、外来コマ比率が高い医師ほど処方比率も高い傾向が確認されました(R²=0.61)。
※本検証は、個々の医師を評価するものではありません。個人を特定できない形式で、同一施設内の傾向を確認したものです。

◆外来コマ数データは、実際にどう使われているのか◆

では、外来コマ数データは実際にどのように活用されているのでしょうか。
これまでに 2026年現在で30社を超える製薬企業様からご相談をいただき、そのうち6社で外来コマ数データが導入されています。
実際の主な活用シーンは、以下の通りです。

  • 本社マーケティングでのターゲティング設計
    →診療科名・施設規模だけでは捉えきれない
     「実際にどれだけ外来診療を行っている医師か」を可視化
  • 施設内患者数の按分ロジックへの利用
    →これまで施設単位でしか把握できなかった患者数を
     医師別に按分するロジックとして活用
  • 医師の高度分析(機械学習等)における説明変数
    →医師クラスタリング、ポテンシャル分析などに利用
  • 現場MRのターゲット医師の判断材料
    →訪問優先度や情報提供内容の判断材料として活用

外来コマ数データを活用することで、専門性や役職といった静的な情報だけでは見えにくかった、実臨床での患者接点を捉えることができます。今後は他の医師属性情報と組み合わせることで、より精緻な医師ターゲティングが可能になると考えています。

SCUEL医師データベースには、外来コマ数データのほかにも、医師の専門性経歴、役職など、さまざまなデータを収載しています。今回ご紹介した内容に限らず、ご興味のあるデータがございましたら、お気軽にお問い合わせください。